タマゴ

Lさんには子供(双子)がいる。その双子とエサレンであった。
可愛い9歳の女の子と男の子。

「可愛いね。あなたの子供なの?」
「この美しい人たちは、私の世の中で一番大切な友人よ。ねー?」
そう覗き込んで言われた娘は、嬉しそうにLさんに抱きついた。
可愛らしい表現の仕方があるんだな、と思っていた。

☆ ☆ ☆

そんなLさんと、LAに戻って来てから、一緒にランチをする機会があった。
エサレンで親子ともども話をしているので、そのあたりから話がはじまった。
「Aちゃんは、元気なの?」
「元気よ〜。ありがとう。あなたは子供はいるの?」

私はいない。主人には1人子供がいるけれど、東海岸だし、滅多に会わないし、私は自分で産もうと思った時には、もう出来なかったんだ、と告げると

「私ね、今57なの。で、子供が9歳でしょ?48の時に、他の女性のタマゴをもらって、このお腹の中で育てて産んだのよ」

あ、そういう手があったのか、、、
話には聞いた事があったが、そうやって産んだ人から初めて話を聞いた。

質問がいきなり湧いて来たので思い切って聞いてみた。
「失礼かもしれないけれど聞いていい? 人からタマゴをもらって双子が出来た、と言うけど、それは、卵を入れる段階で何人産めるか、チョイスがあったの?」
悪意のないストレートな質問は、案外受け入れてもらえると信じて、質問してみた。

「そうね、いくつ受胎出来るかはわからなかったけれど、とりあえず3つ入れたの」
「で、二つが受精したって事?」
「そうよ。すごいでしょ?私はラッキーだったわ」

ご主人はいるの?と聞いたら、いないと言う。一人よ、と。

で、彼女はアウディのバンに乗って、しょっちゅう旅をして、双子をシュタイナーの学校へ入れている。
「すごいのよ。日本語のセンセイがいるの。そして、樹を削ってチョップスティック(お箸)を作る、マスター・ヨウ(陽先生)もいるわ。最高の学校よ」

=====

私がゆっくりランチを食べていると
「あら、あなたを見習って少しゆっくり食べればよかったわ。私ね、早食いなの。なぜなら、子供が二人いるでしょ?毎日が戦争なのよ」

正直、アメリカへ来て、こんな早食いの人を初めてみたので、その事を告げて、一緒になって笑った。

=====

多分、タマゴのドナーとはおつきあいがないのだと思う。
精子のドナーともおつきあいがないと思う。
まったく自分のものではないタマゴと精子を、自分のお腹の中で育てる。

そして、美しい二人の、DNA的には他人の子供が、自分のお腹から出て来る。

「この美しい人たちは、私の世の中で一番大切な友人よ」

女性というものは、捧げるものである。
自分のお腹を捧げ、自分の時間を捧げ、自分のお金を捧げ、子供を育てている。

誰の子だとか、そういうものはブッ飛んで、ただ、すごいなあーと思った。

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