シンディの皺 

ずっと写真を撮らせていただいていると、大概45を過ぎたあたりから、女性は「シワ、フォトショップで飛ばしてください」と軽々しく(はい、ほんと、実に軽々しく)いう。
最近はアプリもいっぱいあるから、そりゃ簡単にiPhoneで撮ったものはシワ修正もできる。

が、大きな画素数で撮った写真となると、フォトレタッチは、思ったより「手作業」であり、時間もかかる。
ヘタなレタッチはフォトグラファーとしてはするべきことではないし、ビミョーなところをやろうとすると、けっこう時間がかかる。
本当は、シワも歴史なんだけどなあ、と思いながら、自分だってシワがないほうが若く見えると思っているフシもあるので、ちっ、しょうがねえな、と思いながらいくつかレタッチをし、シワを飛ばした写真をお見せすると、皆さん、喜んでくださる。

さて2015年のクリスマスの話。
シンディという女性から撮影の依頼があった。

彼女は5リズムをやっている人。
1年ちょっとの大腸ガンの治療(放射線と抗がん剤)を終え、ようやく髪が生えてきた。この間も、5リズムの仲間達に自分の丸坊主の写真などを送り、随時勇敢に生き様を見せてきたような強い魂の人。

そして、この大変なガン治療の時期を一緒に乗り越え、サポートしてくれたご主人へ、髪が生えてきた写真をフレームに入れて送りたいのだ、という。
彼の一番お気に入りのドレスで。

一番忙しい時期だったが、これは私も絶対に撮りたい。
私も絶対にそのプレゼントの一部になりたい、と心から願い、写真を撮らせていただいた。

彼女は最初から「白黒で」「ドラマチックに」と頼んできた。

「いいよ、でもドラマチックなライティングにすると、シワめだつけど」
と言ったら

「いいわ。ぜんぜんかまわない」

撮った写真を見て一緒に選びながら
「レタッチする?普通40過ぎると、大概ひとボカシ入れるんだけど」
と聞いた。

するとシンディは笑いながらキッパリとこう言った。

「いいえ。シワは私の一部。ほうれい線も、眉の間のイレブンも(11の縦じわができることからイレブン、というらしい)全部、私。今更隠すことなどなにもないわ。私はすべて受け入れる。私はこれをとても愛おしく綺麗だと思う」

すげえな。

だからこの強さが出るんだな、と
写真を見ながら思った。

皆さんも、ちょっとだけ、シワを愛してみてはどうかな。

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シンディの皺 」への2件のフィードバック

  1. 写真を見て、涙が出ました。とても美しい人ですね。
    生きる喜びや強さが伝わってきます。

    1. コメントありがとうございます。
      彼女にあったらそう伝えておきます。
      &美しさをわかってくださるということは、Ayaさんが美しいからだと思いますよ。

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