ドMの理由

フローとハイキングへ行った。

ものすごい風だった。

あまりの寒さに、格好も構わず
車の中にあった毛布を
体に巻きつけ歩いた。

それにも増して風は強く、
山の尾根を歩くのに吹き飛ばされそうなほど。

これは危険だということで、
頂上を目指すのはやめにした。

フローが
「マサヨ、あの岩の上に上がって寝転がって休もう!」
と言った。

二人は中腹の大きな岩に必死で登り、
なるだけ風の抵抗を避けるべく
寝転んだ。

しばらく寝転がって話していたが、
砂や土や葉っぱなどが飛んできて顔を叩く。

これはそろそろ降りた方がいいと降り始めたが、
私の毛布がちょうど凧とかセイルのような役目をし
降りようとするのに、吹き飛ばされそうになる。

フローがまた
「あっちの岩の影へ行こう。
 あっちの上に登ったら、風がないと思う」

どうやらフローは、休むのに高いところに登るのが好きなようだ。

フローが休もうと言ったあたりは、風がないどころか、そこへ行き着くまでの場所は
完全に風の通り道で
ドエライことになっている。

私は
「這ってでも降りた方がいいような気がする」
と言った。

這いつくばって
スパイダーマンのようになりながら
ものすごい風邪の中を寝転んで5メートルほど降りて角を曲がったら

 ・
 ・
 ・

あらふしぎ。

もう風はない。

 
 
二人でギャハハと笑いながら
「いやだー、一番風のあるところばっかり選んでたんじゃん!」

「どうして風の強いところばっかり選んじゃったんだろうね?」

「ドMだからじゃん?」

そう、あの風の中、必死で這いつくばっている時
とても「生きている」感がした。

人は困難に立ち向かう時
生きていると感じる。

だから、問題が必要なのだ。

好きで問題を選んでいるのだ。

人は皆、ドMなのだ。

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