Good byeサンディ!

愛すべき頑固ジジイ、 ドックパークの友、トムの最も年寄りの親友、サンディがこの世を卒業した。

まあ、見事な生き様、死に様だった。

先々週私を見て「よ、今度は何週間、夫を訪問するんだい?」とウインクし、その自分のジョークに御機嫌さんで笑い、

最後の土曜日、トムと映画へいって、日曜にはオーディションが受かった返事をもらい、月曜にワードロープをあわせに行き、最高にハッピーだといい、火曜に、ちょっと頭がいたいから少しだけ寝るね、と言ったまんま死んだ。

最後の1週間は、すごくハッピーだった。

 

見事。ほんとに見事としかいいようのない死に方だなあ。

 

サンディのお別れ会をサンセットのバーでして、皆でカクテルを飲みながらケーキを食べて、本当に、みんながサンディを好きだった。

そして、あらためて、このドッグパークの友達は、宝物だなあ、と思ったよ。

だって、年齢も、職種も、性別も、セクシャリティも、まったく違う人たちが皆友達で、一緒に犬の面倒を見ている、そんなグループ。

サンディは1日に2回、必ずパークに現れ、それが彼のいち日のうちのビッグイベントだった。

いつもベンチに座って目を瞑り、手をひろげ、日光浴をしていた。

この日は誰かがサンディの写真を持ってきて、本人のかわりに日光浴をさせていた。

 

安らかにね。

また、数十年後に、どこかで会おう!

Love you! Sandy!!

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アスペルガーのための会社

 

私は実際にアスペルガーは何か、その定義はよく知らないんだが、まわりにアスペルガーの人がたくさんいる。

トムもそのケがあるが、トムの兄の息子二人がソレ。一緒に食事へいっても、目もあわせないし、会話もないので、一生懸命会話しようと私が必死で神聖幾何学で習ったフィボナッチ数のことを話して会話をしようとしても、さすが全米で数学が10番以内の兄弟

「フィボナッチは単純すぎてツマラナイ」

と目を背ける。会話、無残にも終了(笑)

 

とにかく、だ。

トムのお兄ちゃん、グレイ・ベノアは子供二人のためにはじめたことが、最近になってニューヨークタイムスマガジンにとりあげられた。実際とりあげられたのはベン・ヒラスナという男の子だけども、グレイは長年勤めた会社を引退した後、自分の息子たちの将来を思い、普通の会社へ就職しても合わないだろうから、と知恵を絞ってこの会社を作った。

まず、アスペルガーの彼らは頭がすごく良いので、ゲームなんて普通の人がやる5倍くらいの速さで終えちゃうわけ。それを利用して、発売前のゲームのバグテストを一気に引き受けるところから始まったのだった。そのころのことは私も一緒によくランチを食べて聞いていたのでよく覚えてる。

最初は本当に数人のキッズ(アスペルガーの子供が行く学校の同級生)のみだったのが、今や32人らしい。

それが定着し、ドイツからもどうやって運営するかをグレイの会社に学びに来たりしていて、とにかく、世の中に新しい石をポンと投げたことには違いない。

そして、定着したら、自分の息子の終身雇用の約束をとりつけ、自分は社長、会長職をおりた。このあたりの執着のなさもスゴい。

 

トムのお兄ちゃんはモトローラという電話機の会社で長年副社長をしていた。会社の自家用ジェットでアラブはじめ、世界各国へ飛び、どんな大変な時も息子たちのことを一番に考え、トムたちのママのこともよく面倒を見る、まったく愛そのものの人。地位とかそんなこと関係なく、誰もが彼を好きになる。

彼を見ていると、優しい人が大きく優しさを回していけるだけの経済力と環境とトレイニングを用意されたのじゃないかと思う。徹底的にやさしい。そのかわり、彼の目の奥底には、徹底的に人をビビらせる何かもある。やっぱり振り幅(可動域)なのかな、って思う。

2m近い体にいっぱい詰まった優しさで、彼はいつもハグをする。

〜 〜 〜 〜 〜

 

モチベーションをあげる:ライザ

ライザの演出するプロダクションのミュージカルに2006年から絡んで、はや13年経つ。

土地柄、いわゆる有名なアクターさんたちのキッズが集うミュージカルで、カートコベインとコートニーラブの娘、フラニー・コベインなんかもいた。払ってくれたチェック(小切手)に コートニーラブ、って書いてあってびっくりしたことを覚えている。

最近は旅行が増えて来て、去年の秋冬は撮影を休み他の人に変わってもらったが、昨日は久しぶりにライザの舞台撮影。久しぶりにあったキッズも皆「マサヨだーー!」と喜んでくれたが、一番大きな収穫は、ライザの素晴らしさ、彼女の舞台が13年以上続いている秘密を、昨日の撮影でがっつりと見せてもらった。

ライザは時々雷を落とす。

アメリカではジャッジはしちゃいけないし、怒っちゃいけないし、けっこう面倒な国だ。

ライザを見ているとアメリカ人であるよさを生かした(もちろん、日本にもそういう人はたくさんいるんだけど。特に最近のインディゴ以降は)叱り方。

「ちょっと待ってみんな!何度言えばわかるの?これを何十回も、何百回も練習してきたよね?ちゃんとそこへ意識を持って来てよ!そうじゃないと何も治らない」

と、最初に言っておいて

「あんたたち!自分がもっと素晴らしいってことを知りなさい!私は情けない。私は悲しい。あなたたちはもっともっと、思っている以上に素晴らしい人たちじゃない?いつまでも可愛い可愛い、のレベルじゃない素晴らしさを持ってることを私はよく知ってる。そこをどうして出さないの!?自分の素晴らしさを出すのを怠けないで!!! いいこと?あなたたちは、思ってる以上に、あんたが考えてる以上に素晴らしいのよ!!私はそれをよく知ってる!だけど、それをちゃんと使わないあなたたちは、私を幻滅させる!わかる?目をさまして!!!」

涙声でこれを10歳から15歳に怒鳴りながら言った。

 

涙がでたのは私だった。

こんな人にいてもらえるって、この子たちは幸せだ。

 

私はこれを言ってあげられるのだろうか。愛がないと言えないし、愛だけじゃ言えない。すっごい勇気がいるんだよ。

舞台をやっている時のライザにはエゴがない。完璧なるパイプであり、自我とか「ライザ」がない。ただ、この舞台のために、このキッズたちのためにだけをやっている。

みんなに舞台という魔法を見せ、皆で良いものを作っていこうという、その意図と、劇場いっぱいの愛だけで生きている。

 

男の子が少ないので、女の子が男の役をすることがあったが、今回は男の子のたっての希望で女の子の役をする子が出て来た。それを平気でさせるライザ、そこもまたスゴイ。

 

関わらせてもらっていることに感謝。