ライザの演出するプロダクションのミュージカルに2006年から絡んで、はや13年経つ。
土地柄、いわゆる有名なアクターさんたちのキッズが集うミュージカルで、カートコベインとコートニーラブの娘、フラニー・コベインなんかもいた。払ってくれたチェック(小切手)に コートニーラブ、って書いてあってびっくりしたことを覚えている。
最近は旅行が増えて来て、去年の秋冬は撮影を休み他の人に変わってもらったが、昨日は久しぶりにライザの舞台撮影。久しぶりにあったキッズも皆「マサヨだーー!」と喜んでくれたが、一番大きな収穫は、ライザの素晴らしさ、彼女の舞台が13年以上続いている秘密を、昨日の撮影でがっつりと見せてもらった。
ライザは時々雷を落とす。
アメリカではジャッジはしちゃいけないし、怒っちゃいけないし、けっこう面倒な国だ。
ライザを見ているとアメリカ人であるよさを生かした(もちろん、日本にもそういう人はたくさんいるんだけど。特に最近のインディゴ以降は)叱り方。
「ちょっと待ってみんな!何度言えばわかるの?これを何十回も、何百回も練習してきたよね?ちゃんとそこへ意識を持って来てよ!そうじゃないと何も治らない」
と、最初に言っておいて
「あんたたち!自分がもっと素晴らしいってことを知りなさい!私は情けない。私は悲しい。あなたたちはもっともっと、思っている以上に素晴らしい人たちじゃない?いつまでも可愛い可愛い、のレベルじゃない素晴らしさを持ってることを私はよく知ってる。そこをどうして出さないの!?自分の素晴らしさを出すのを怠けないで!!! いいこと?あなたたちは、思ってる以上に、あんたが考えてる以上に素晴らしいのよ!!私はそれをよく知ってる!だけど、それをちゃんと使わないあなたたちは、私を幻滅させる!わかる?目をさまして!!!」
涙声でこれを10歳から15歳に怒鳴りながら言った。
涙がでたのは私だった。
こんな人にいてもらえるって、この子たちは幸せだ。
私はこれを言ってあげられるのだろうか。愛がないと言えないし、愛だけじゃ言えない。すっごい勇気がいるんだよ。
舞台をやっている時のライザにはエゴがない。完璧なるパイプであり、自我とか「ライザ」がない。ただ、この舞台のために、このキッズたちのためにだけをやっている。
みんなに舞台という魔法を見せ、皆で良いものを作っていこうという、その意図と、劇場いっぱいの愛だけで生きている。
男の子が少ないので、女の子が男の役をすることがあったが、今回は男の子のたっての希望で女の子の役をする子が出て来た。それを平気でさせるライザ、そこもまたスゴイ。
関わらせてもらっていることに感謝。